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村の神 シマフクロウ

今回の北海道旅行(9月だけど)は、初日にすでにピークを迎えていた。

北の大地で会いたい生きものは数あれど、最も出会うのが難しいだろうと思っていた種の一つ、シマフクロウ。
そのシマフクロウに出会える宿、というのがある。以前から話には聞いていたが、そもそもシマフクロウに会えるわけがないという先入観からか、泊まってみようと思ったことはなかった。今回も同行のM氏に提案されなければこの宿を選ぶことはなかっただろう。

宿の庭には池が作られている。シマフクロウはフクロウ類ではめずらしい魚食性で、魚を採りに池を訪れるというわけだ。野生動物に餌付けかよという声もあるだろうが、シマフクロウの生息環境は少ししか残っていないし、個体数も北海道全域で120程度と極めて危機的な状況であるから、この程度は許容範囲かなとも思う。この池で狩りの腕を磨いて、いずれは自然の川で生きていけるようになってくれればと。

宿の食堂、各宿泊部屋の窓から池が見通せるようになっている。また、池にはカメラが取り付けてあり、その映像を部屋のテレビから見ることもできるようになっている。ただし、泊まったその日に訪れてくれるかはもちろん運次第。祈るしかない。

チャンスは宿について程なく、食事中に訪れた。
飯を頬ばりながらも常に池を気にしていたM氏が声を上げる。

M「来たんじゃない!?」
や「ええ?まさかぁ」

そのまさかであった。文字通り食事を放り出し、小走りで自分の部屋に飛び込む。
すでにカメラは三脚に据えてあったが、ISOの設定などは考えてなかった。外は既に真っ暗で、光源は少し離れたところに設置された1本の蛍光灯のみである。もちろんストロボは使えない。暗さのためオートフォーカスは効かず、マニュアルで合わせるのも難しい状況。1枚撮っては液晶モニタでピントを確認し、微調整を繰り返す。
シマフクロウ1
あどけない顔、子どもの個体のようだ。ISO3200でシャッター速度は1/2程度。
じっと動かないことが多いのでなんとか撮影できた。それでも高感度に強い機種でなければ厳しいと思う。

シマフクロウ2
一生懸命に池を見つめる姿がたまらなく愛らしい。
まだまだ狩りの腕が未熟なのだろう、散々時間をかけた挙句にボウズ、というのを何度も繰り返していた。
左足に緑、右足に銀色っぽい足輪が付けられている。

シマフクロウの狩り
1/2秒というシャッター速度では、当然動く被写体の撮影は無理。池に飛び込むところも追いかけたけど、こんな感じにしか写らない。まあ当然の結果だ。

シマフクロウ3
双眼鏡越しに目が合ったときには手が震えた。時折このような凛とした表情を見せる。
あどけない子どもでも、すでに村の神としての貫禄が備わっているように感じた。

シマフクロウ4
ネットや写真集などで時々こういう写真を見ることがある。すごい睨みだなあと思っていたが、これは池を見ているだけ。
少し目線が下になったとき撮影するとこのような表情に写るようだ。
途中、一度去ったものの再びやってきて、結局19:00から24:20までの間、色々と楽しませてくれた。


シマフクロウにライト
一方でがっかりすることもあった。シマフクロウの写真を撮るためフラッシュを焚いたり、懐中電灯で照らす観光客。
フクロウの目は暗闇でよく見えるように感度設定されているため、明るい光には弱い。フラッシュを焚いたりすると目が眩んで動けなくなり、動物に襲われる可能性があるのだという。

この宿は空港からも観光地からも遠く、食事も普通で、温泉以外にはとりたてて何もないのだが、宿泊費はなかなかのお値段。これは明らかにシマフクロウが大きな付加価値になっているはずで、これほどわかりやすい生態系サービスも無い気がする。ところがフクロウの観察や撮影に関する説明が、宿から全くされなかった。「ストロボ使っちゃダメですよね?ライトもダメですよね?」とこっちから聞いて確認したぐらいである。その結果が上の写真だ。
宿泊客のモラルは当然問題だが、きちんと説明して管理しない宿の体制も問題だろう。もしこれが原因でシマフクロウという付加価値が無くなったとき、今までと同じ数の宿泊客が同じ料金で泊まりにきてくれるだろうか?とてもサステナブルとは言い難い経営だと思う。

シマフクロウ5
とりあえず、宿の経営者にアドバイスのメールをしておいた。
願わくは何年後か、成長したこの個体とこの宿で再会したいと思っている。


【おまけ】
手ブレ、ホワイトバランスなどひどいですが、いろんな表情を並べてみました。
  シマフクロウおだやかシマフクロウ驚きシマフクロウふくらむ
        おだやか             おどろき             ふくらむ
  シマフクロウ迫力シマフクロウ横顔シマフクロウのびる
         にらむ               横顔               のびる


〔2011年9月16日 北海道標津郡中標津町〕


シマフクロウは、アイヌ語でコタンクルカムイ(村の神)と呼ばれます.... 人気ブログランキングへ
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00:58 | 北海道2011 | comments (4) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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