日本のカメの危機
2009 / 03 / 23 ( Mon )
昨日はとても気になる内容のシンポジウムがあり、千葉まで足を延ばした。
「千葉県内でのアライグマの分布拡大と在来淡水性カメ類の深刻な捕食被害」というテーマ。
運営の中心になっているのはカメ ネットワーク ジャパンというNPOだ。
アライグマは雑食性。動物でも植物でも、おいしくて、口に入れられるものなら何でも食べる。
農業被害はたくさん出ているし、養魚場の魚を盗んだり、乳牛の乳首を噛みちぎったなんていう報告まである。当然、野生の生きものにも犠牲が出ていて、私もアライグマに襲われたと思しきトウキョウサンショウウオの死体を複数みつけたことがある。
そして今回、新たなアライグマ犠牲者と見られているのがイシガメとクサガメである。

正式な和名はニホンイシガメ。最新の環境省レッドリスト(2006)では「情報不足」としてリスト入りしている。
2007年7月28日 滋賀県にて
報告によると2008年2~3月、たくさんの死体(空っぽの甲羅)が見つかったという。その数はある河川の1.5kmほどの区間だけで100を越える。ズラリと並べられたカメの死体の写真は何とも壮観で、事態の異常さを物語っていた。また、生きてはいるものの、手足を食いちぎられて骨が露出している個体も多数見つかっているそうだ。
特に危ないのは冬。
イシガメやクサガメは水中で冬眠する。基本的には敵が近づきにくいし、発見もされにくい、理にかなった方法だと思う。しかし農業用の河川や水路では冬場に水位が低下するところも多く、意外と外敵がアクセスできてしまうらしい。寝込みを襲われてはイチコロだろうなあ。
まだ犯人がアライグマと断定されたわけではないけれど・・・状況証拠を並べていくと、ちょっと他には考えられないなあという感じ。
私が調査を行っている埼玉県のある現場でも、昨年からクサガメの死体が複数見つかっている。
ここも2年前ぐらいからアライグマの痕跡が急激に増えていて、カエルの心配をしていたところ(過去記事:増え続けるアライグマ)。根本的な解決方法はつかまえて根絶させるしかないけれど、とてつもない難題だ。カメの保護だけに絞れば、冬場に水位を上昇させるような努力は可能かもしれないけれど・・・。注意して継続監視しつつ、やれることからやるしかない。
リンクの追加
カメネットワークジャパン
その名の通り、在来の(淡水性)カメ類に関する活動を行うNPO。代表の小菅さんは、このNPOの立ち上げにおいても、その後の活動においてもとてもアクティブ。カメに対する愛情も並々ならぬものを感じます。保全活動を手がけるものとして、また同世代として、とても良い刺激をいただいています。
「千葉県内でのアライグマの分布拡大と在来淡水性カメ類の深刻な捕食被害」というテーマ。
運営の中心になっているのはカメ ネットワーク ジャパンというNPOだ。
アライグマは雑食性。動物でも植物でも、おいしくて、口に入れられるものなら何でも食べる。
農業被害はたくさん出ているし、養魚場の魚を盗んだり、乳牛の乳首を噛みちぎったなんていう報告まである。当然、野生の生きものにも犠牲が出ていて、私もアライグマに襲われたと思しきトウキョウサンショウウオの死体を複数みつけたことがある。
そして今回、新たなアライグマ犠牲者と見られているのがイシガメとクサガメである。

正式な和名はニホンイシガメ。最新の環境省レッドリスト(2006)では「情報不足」としてリスト入りしている。
2007年7月28日 滋賀県にて
報告によると2008年2~3月、たくさんの死体(空っぽの甲羅)が見つかったという。その数はある河川の1.5kmほどの区間だけで100を越える。ズラリと並べられたカメの死体の写真は何とも壮観で、事態の異常さを物語っていた。また、生きてはいるものの、手足を食いちぎられて骨が露出している個体も多数見つかっているそうだ。
特に危ないのは冬。
イシガメやクサガメは水中で冬眠する。基本的には敵が近づきにくいし、発見もされにくい、理にかなった方法だと思う。しかし農業用の河川や水路では冬場に水位が低下するところも多く、意外と外敵がアクセスできてしまうらしい。寝込みを襲われてはイチコロだろうなあ。
まだ犯人がアライグマと断定されたわけではないけれど・・・状況証拠を並べていくと、ちょっと他には考えられないなあという感じ。
私が調査を行っている埼玉県のある現場でも、昨年からクサガメの死体が複数見つかっている。
ここも2年前ぐらいからアライグマの痕跡が急激に増えていて、カエルの心配をしていたところ(過去記事:増え続けるアライグマ)。根本的な解決方法はつかまえて根絶させるしかないけれど、とてつもない難題だ。カメの保護だけに絞れば、冬場に水位を上昇させるような努力は可能かもしれないけれど・・・。注意して継続監視しつつ、やれることからやるしかない。
リンクの追加
カメネットワークジャパン
その名の通り、在来の(淡水性)カメ類に関する活動を行うNPO。代表の小菅さんは、このNPOの立ち上げにおいても、その後の活動においてもとてもアクティブ。カメに対する愛情も並々ならぬものを感じます。保全活動を手がけるものとして、また同世代として、とても良い刺激をいただいています。
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ニホンアカガエル 産卵の季節
2009 / 03 / 12 ( Thu )
一昨日は現場の仕事で桶川市へ。
この季節恒例、ニホンアカガエルの卵を確認をしてまわる。この日は特に暖かく、キタテハやモンキチョウが何匹も飛んでいる。足元を見ればオオイヌノフグリが早くも満開かという咲きっぷり。遅ればせながら春を実感する。肝心のアカガエルはと言うと、例年の何倍もの卵塊数。今年のアカガエル産卵、どうやらこの場所においては当たり年のようだ。

この卵は3cmほどの浅い水たまりに産んであった。干上がる危険大。
卵を見て歩くと、産卵からかなり時間が経っているものと新しいものが見られた。アカガエルは暖かい雨の夜に好んで産卵する(暖かいとは言っても真冬~早春の夜だが)。今年は暖冬傾向で、2月の上旬からあちこちで産卵があったという情報を得ている。一方、3~4日前にはまとまった雨が降ったから、新しい卵はそのあたりのものだろう。新しい卵は太陽の光を受けてキラキラ光り、手で持つとプルプルゆれ、何とも幸せな気分になる。
しかしこの季節、楽しいばかりではない。徐々にくしゃみ、鼻水、涙が止まらなくなる。この日は最高気温18℃、おまけに強風と、花粉症人間にとっては最悪のコンディション。何とかデータをとり、ぜえぜえ言いながら帰途についたのだった。
この季節恒例、ニホンアカガエルの卵を確認をしてまわる。この日は特に暖かく、キタテハやモンキチョウが何匹も飛んでいる。足元を見ればオオイヌノフグリが早くも満開かという咲きっぷり。遅ればせながら春を実感する。肝心のアカガエルはと言うと、例年の何倍もの卵塊数。今年のアカガエル産卵、どうやらこの場所においては当たり年のようだ。

この卵は3cmほどの浅い水たまりに産んであった。干上がる危険大。
卵を見て歩くと、産卵からかなり時間が経っているものと新しいものが見られた。アカガエルは暖かい雨の夜に好んで産卵する(暖かいとは言っても真冬~早春の夜だが)。今年は暖冬傾向で、2月の上旬からあちこちで産卵があったという情報を得ている。一方、3~4日前にはまとまった雨が降ったから、新しい卵はそのあたりのものだろう。新しい卵は太陽の光を受けてキラキラ光り、手で持つとプルプルゆれ、何とも幸せな気分になる。
しかしこの季節、楽しいばかりではない。徐々にくしゃみ、鼻水、涙が止まらなくなる。この日は最高気温18℃、おまけに強風と、花粉症人間にとっては最悪のコンディション。何とかデータをとり、ぜえぜえ言いながら帰途についたのだった。
こだわりのタモ網
2009 / 03 / 09 ( Mon )
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