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利根川のサケ

今日は職場の同僚3人と利根川まで足を延ばす。彼らは水生生物を専門としていて、よく一緒に魚採りに出かけている仲間。今回の目的はサケを見ることである。
利根大関
川幅いっぱいに陣取る利根大堰 NikonD70s SIGMA17-70mm

利根大堰は首都圏の用水を確保するため、利根川の水を荒川へと導水する施設。巨大な障害物が川を横断しているので、そのままでは魚は川を登ることができない。そこで堰のすみっこに魚道を設けて魚の移動路を確保し、さらにその壁面の一部をガラス張りにして遡上する様子を見学できるようにしている。休日ということもあってか、思った以上に多くの人が見に来ていた。
利根大関内部
遡上するサケを見る家族連れ NikonD70s SIGMA17-70mm

サケも予想より多くの個体が見られた。利根川では今が遡上のピークなのかもしれない。
シロザケ横から
水族館のようにサケを見ることができる NikonD70s SIGMA17-70mm

さて、先ほどからサケサケと書いているが、サケという種名の魚はいない。日本ではサケと言ったら通常シロザケのことを指す。利根川はこのシロザケの遡上に関して、太平洋側の南限にあたっている。稚魚を放流していることもあって、遡上は毎年見られるようだ。
利根大堰の下流でも数匹が泳いでいたが、その体はボロボロ。遡上、他個体との闘争、産卵などで傷ついたか、もしかするとうまく魚道に辿り着けず、堰を乗り越えようとジャンプし続けて疲弊してしまったのかもしれない。
シロザケ自然下
傷ついて体のあちこちが白くなったシロザケ NikonD70s SIGMA17-70mm

シロザケを堪能し昼食にうなぎをいただいた後は、このメンバーお約束のいわゆるガサガサ。今回は利根川の支流である雁行川にて、タモ網によるお魚採りである。採れた魚はアブラハヤ、オイカワ、タモロコ、ヤマメらしき稚魚、ドジョウ、シマドジョウ、ホトケドジョウ、サワガニ、ヤゴ数種。川の規模の割になかなか魚種が豊富だ。同僚のSによると、この場所は里地と山地の境目にあたるのだろうとのこと。うん、確かに魚種は両方にまたがっている感じだ。
ガサガサ成果
ガサガサの成果 NikonD70s SIGMA17-70mm

この時期の日没はとにかく早く、遊ぶ時間は限られていたものの、かなり魚を楽しむことができた。
シロザケについては、これも同僚Sと行った2年前の北海道ツアーでかなりの数を見ているので、そのうちに回顧録としてこのブログ上で紹介したいと思う。
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23:57 | 魚類 | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑

のんびりノスリ

ちょっとした仕事が入り、桶川市の現場へ。
作業は一時間ほどで終わったので、少しぶらついてみる。少し歩くと、地面からノスリが飛び立ち、少し離れた木にとまった。ゆっくり近づくと、多少こちらを気にしながらもあくびをしたり、頭を掻いたりとくつろぎモード。ノスリは大きめな猛禽なのに顔が可愛らしいと思う。
のんびりノスリ
こっちを見ているノスリ NikonD70s AF-SNIKKOR70-300mmVR

しかし何だか、今日は写真を撮る気があまり起こらない。ノスリが飛び去ったのを機に、カメラを片付けて家路へ。バイクで受ける夕方の風は冷たく、自動販売機で買ったホットレモンティーがやたらとうまい。晩秋から初冬へと、季節が移り変わったのを実感した一日だった。
23:57 | 鳥類 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

晩秋の虫たち

原付バイクの運転練習がてら、カメラを持ってフィールドへ。
ここは荒川と入間川に挟まれた場所で、台風が来るともろに水浸しとなる氾濫原。平常時も沼がいくつかある。ここでは地元の自然保護団体と国土交通省が協同で、自然保護活動や環境教育を展開している。
三ツ又風景
フィールドの一風景 NikonD70s SIGMA17-70mm

さて、そこにある樹林に入ってみると、どの木も樹皮を細かなクモ糸でまんべんなく覆われているのに気づく。
樹皮に蜘蛛糸
ちょっとわかりにくいが、たくさんのクモの糸に覆われている NikonD70s SIGMA17-70mm

今年一年、クモたちが盛んに活動した証。下の写真のような徘徊性のクモが、歩きながら出す糸なんかが多いのではないだろうか。このネコハエトリはまだまだ機敏で、自分の手やカメラに反応してくるくると立ち回っていた。
不明ハエトリ
ネコハエトリ NikonD70s SIGMA105mmMacro ストロボ トリミング

ここは湿った場所が多いため、ハンノキが生えている。また前述の環境教育の一環で、地元の小学生がハンノキを種から育てて植えるという活動もしているのだ。そうなれば探すものはミドリシジミだろう。ゆっくり幹や枝を見て歩くと、まもなく卵が見つかった。
ミドリシジミの卵3倍
ミドリシジミの卵 NikonD70s NIKKOR前玉はずしマクロ ストロボ2灯

撮影倍率は、海野流前玉はずしマクロレンズの最大倍率、35mm版換算で約3倍なのだが、この程度の大きさにしか写らない。やはり相当に小さいのだなあ。それでも卵の細かい模様が見てとれる。あとはこれにテレコンバータをつける手があるが、持ってくることをすっかり忘れていた。
茶色のオンブバッタ
枯れ色のオンブバッタ NikonD70s SIGMA105mmMacro ストロボ

今年は早々と強めの寒気が関東にも流れ込み、例年のこの時期よりかなり寒いらしい。周辺の草地ではコバネイナゴやオンブバッタがまだ頑張っていたが、さすがに動きは鈍い。鮮やかな緑色だった体色もすっかり茶色になっている。はて、この枯れ色化は単に新鮮さが失われたからなのか、それとも草が枯れていくのに合わせた保護色なのか?晩秋の黄色い光線の中でオンブバッタを眺めながら、そんなことをぼんやりと考えたりした。
19:05 | 昆虫類 | comments (3) | trackbacks (0) | edit | page top↑

フィールド遊びの足

わが家にリトルカブがやってきた。
やってきた、といっても買ったわけではない。この冬の間だけ、職場の同僚から借してもらえることになったのだ。
リトルカブ
お借りしたリトルカブ。かっこいい。

自分が住むアパートは埼玉県南部の住宅地にあり、周りには自然がほとんどない。一番近いフィールドまで少なくとも5km以上あるのだが、そこへの交通手段は自転車のみ。実家にいた頃は6.5km離れた専門学校まで毎日自転車で通っていたのだから、もちろんその気になれば行けるのだが、その頃の気合いが今の自分にあるわけがない。腰の重い自分が積極的にフィールドに出て写真を撮ろう!という気になるためには、楽にフィールドにアクセスできなければならないのだ。

バイクというものに初めて乗ったが、これが実に楽しい。
とりあえず冬の間使ってみて、良さそうなら自分でスクーターでも購入しようと思う。
19:37 | 機材 | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑

フクラスズメの蛹

11/7に掲載したフクラスズメの幼虫が蛹になった。さっそく撮影すべく、ティッシュと葉でできた粗末な繭を切り開いてみる。

今回の撮影に当たっては、黒のアクリル板を購入してみた。実は先日、黒バック撮影の練習をしてみたのだが、手持ちの道具で試せる方法はすべて失敗してしまったのだ。どうしても純粋で一様な黒色にならない。そこで思いついたのがアクリル板を使う方法。片面が光沢でもう片面がマット、アクリルのネット販売店「はざい屋」で760円也。白と透明はついでに購入。
アクリル板
購入したアクリル板。白のマット面は白バック撮影にかなり使えそう。

まずは白バックで撮影する。赤茶色の蛹は光沢が強く、ストロボを当てると一部が白く飛んでしまってなかなかうまくいかない。が、今回は黒バックが目的なので、少し撮ってすぐやめた。
フクラスズメ蛹白バック
フクラスズメ蛹の白バック NikonD70s SIGMA105mmMacro ストロボ2灯

次に黒バックで撮影。色々な角度からストロボをあて、光量を調整し、絞り値を変える。が・・・まったくうまくいかない。まずマット面は少し白っぽい黒になってしまい、自分が目指す漆黒ではない。一方の光沢面は、鏡面のように蛹や周囲のものがくっきりと映り込んでしまう。細かいほこりも目立つ。加えて露出も難しく、被写体だけを明るく浮かび上がらせることがどうしてもできないのだ。
フクラスズメ蛹黒バック
フクラスズメ蛹の黒バック NikonD70s SIGMA105mmMacro ストロボ2灯

一見それっぽく見えるこの写真、ものすごく強引なレタッチで黒くしているだけ。素のままではあまりにみっともなくてアップできなかったため・・・。みんな一体、どうやって黒バック撮影をしているのだろう?どなたかぜひ教えてください。



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自然生態画館
初のリンクは、私が短大で所属していた研究室の大先輩‘DARKLORD’さんによる自然生態画館。DARKLORDさんは生きものの絵を描かれるイラストレーターです。こんな絵が人間に描けるのか!と思ってしまうほど緻密で美しい絵です。このサイトではその一部を見ることができます。

ふしあな日記
当ブログ「生きもの雑想記」のお手本となっているブログです。管理人のspatica氏は短大研究室時代の同期で、私を一眼レフにはめた人物。特に昆虫に詳しく、観察眼も写真もハイレベルです。
00:37 | 昆虫類 | comments (7) | trackbacks (0) | edit | page top↑

派手な毛虫 フクラスズメの幼虫

子供の頃、自分は何より芋虫毛虫の類が大嫌いだった。「毛虫に触れたらもう人生は終わりだ」というぐらいに本気で考えていた。しかし短大の研究室に入ってみると、逆に毛虫で大喜びするような奴ばかり。そんな仲間と過ごしているうちに、なぜだか自分も好きになってしまっていた。人間の価値観なんて結構いい加減だなあと思う。

さて本題。自分が住むアパートと隣のアパートとの間に、猫の額ほどの草地がある。優占種はカラムシだったのだが、3日ほど前、草刈りされて丸坊主になった。まあ特に何の感慨を抱くわけでもなかったのだが、ふと脇を見ると大きくて派手な芋虫がコンクリートの壁に貼り付いている。お、こいつは見覚えがある、フクラスズメの幼虫である。どうやら住処のカラムシを刈られて途方に暮れているらしい。
全身をまばらな白い毛に覆われているので黒バックで撮りたかったのだが、実は黒バックはやったことがない。とりあえず白バックで撮ってみた。
フクロスズメ全身
フクラスズメ幼虫 NikonD70s SIGMA105mmMacro ストロボ2灯

脇腹をアップで見てみると、気門がオレンジ色でそのまわりが赤く彩られている。とても良い色だなあと思わず見入ってしまう。加えて気になるのが腹脚。円柱状の脚の先になんだかギザギザがついている。
フクロスズメ体側
フクラスズメ幼虫の脇腹 NikonD70s SIGMA105mmMacro ストロボ

ズームレンズの前玉をはずして作った高倍率マクロで腹脚をさらに拡大撮影してみると、なんだか食虫植物のハエジゴクのようだ。動きもそれに似ていて、真ん中で二つ折りになる。そしてギザギザに囲まれた中央部分は吸盤になっているようである。ギザギザによる引っ掛かりと吸盤による吸い付きで壁にも貼り付けるというわけか。
フクロスズメ腹足
腹脚のアップ NikonD70s NIKKOR前玉はずしマクロ ストロボ トリミングして少し拡大

翌日、やっぱり黒バックにチャレンジしてみようかなあと思い、プラケースを見ると・・・フクラスズメ幼虫は、餌用に入れたカラムシの葉とティッシュをくっつけて部屋らしきものを作り、じっとしている。どうやら蛹化が始まったらしい。しまった、昨日のうちに撮っとくんだった。仕方がない、黒バック撮影はこいつが蛹になってから改めてチャレンジ、である。
23:57 | 昆虫類 | comments (3) | trackbacks (0) | edit | page top↑