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秋のシュレーゲルアオガエル

一昨日は、先週に続いて桶川市の現場。職場の後輩2人と一緒にのんびりフィールドを歩く。
タヌキのため糞やアライグマの足跡を記録し、それなりに成果が出たところで、後輩がシュレーゲルアオガエルを発見する。
シュレーゲルは、埼玉県の平野部ではかなり少なくなっているカエル、という印象。特に県南部では安定した生息地がほとんど思い当たらない。この場所は非常に良好な湿地が残っている特別な場所で、毎年シュレーゲルの繁殖が確認されている。今年の5月には、地中で鳴く個体や、孵化直後のオタマジャクシも発見することができたので、次の繁殖期はぜひそれらを撮影したいと考えている。
シュレーゲル正面
シュレーゲルアオガエル CAPLIO GX100 ストロボ

さわやかなグリーンの体色、つぶらな瞳、たるんだお腹、なんとも可愛らしいカエルである。あらためて見ると、お腹側は真っ白ではなく、あごやわき腹にモヤモヤっとした模様が入っているのがわかる。

シュレーゲル縦
たたずむシュレーゲルアオガエル CAPLIO GX100 ストロボ 少しトリミング

背景にはセイタカアワダチソウが盛大に咲いている。10月ももう下旬、シュレーゲルを見るのは、今季はこれが最後になるだろう。そう考えるとちょっとさみしい。
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23:12 | 両生類 | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑

自動撮影に挑む その1

ずっとやりたいと思い続けてきたことに、少し前から挑戦し始めている。
それはセンサーを使って無人でカメラのシャッターを切る、いわゆる自動撮影。直接出会うのが難しい哺乳類の撮影などに使うものである。仕事柄、販売されている機材を使ってやることもあるのだが、これが楽しいのだ。
「何が写っているだろう?」
というワクワク感がたまらない。普段目にすることができない、哺乳類の姿を見られる喜び。魚を捕るために、前の晩に沈めておいた胴網をあげるときのような、フィルムで撮影していた時代に、現像された写真を受け取りに行くような、そんな感じにも似ている。
しかし販売されている機材でデジタルカメラを使ったものは、センサー反応からシャッターが切れるまでのタイムラグが大きいなどの問題がある。こだわるなら自分で作るしかない。だが、電気的な知識が皆無の自分には無理・・・と思っていた。
ところがネット上で、まさにうってつけの本を発見。電気の初心者にもある程度わかりやすい解説付きである。渡りに船ですぐに本を購入。そこに掲載されている部品リストを手に秋葉原に行き、部品を買い漁る。
部品群
秋葉原で買い集めた部品と工具類

土日に時間を作り、少しずつ製作を進める。ふだん電子部品のはんだ付けなどやる機会がないので、なかなか新鮮で楽しい。しかしやはり下手くそ、あえて見せはしないが裏側は何とも見苦しい。
センサー基盤
センサーとつなぐ基盤

センサー一式
一応つなげてみたセンサーと基盤類

そして本日、ようやく一通りの部品や基盤を接続することができ、動作確認をすることになった。結果は・・・なんと失敗!1回目はセンサーからの信号でシャッターが切れるのだが、その信号が流れっぱなしになってしまい、2回目以降が切れない。どこかの配線がうまくいっていないのか・・・。実践投入はもうしばらく先になりそうである。
17:34 | 機材 | comments (6) | trackbacks (0) | edit | page top↑

アオイラガの痛みとは

今日は桶川市で仕事。ついでに少し撮影する。
エノキの木になんとも美しいガの幼虫がいた。一見してイラガの仲間とわかるが、種類はわからない。帰ってから「みんなで作る日本産蛾類図鑑」のサイトや「日本産蛾類大図鑑」で調べてみると、どうやらアオイラガかヒロヘリアオイラガのどちらからしい。分布からすると前者、しかし後者は分布を北に広げているとのことで、種類を絞るのは難しそうだ。
アオイラガ
アオイラガの仲間 CAPLIO GX100 少しトリミング

じつは先日、これとよく似た幼虫に腕を刺されてしまった。「とにかく痛い、激痛」という噂を聞いていたのだが、自分の経験ではそんなことはなかった。最初は何かチクチクするものが腕に触れているなあ、というだけ。しばらくしてちょっと違和感を感じ、よくみたらアオイラガに触れていたのだった。その後1分ぐらいでビリビリとした強い痛みが走り、蚊に刺されたように小さく腫れる。しかしそれも徐々におさまり、2~3時間もしたらすっかり消えてしまった。ちょっと拍子抜けである。
アオイラガのトゲ
アオイラガの仲間のトゲ CAPLIO GX100 上写真の一部を拡大

しかし拡大してみると、このトゲはいかにも痛そうだ。他のサイトではやはり相当に痛いと書いてあったりするし、自分の刺され方が弱かったというようなことがあるのかもしれない。
22:31 | 昆虫類 | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑

水生昆虫の王様 タガメ

今日からこのブログを始めることにした。世の中には生きものブログなど山ほどあって、いまさら感がぬぐえないが、まずは自分が楽しめればいいかなと思う。

さて先週の日曜日、自分が卒業した短大の研究室、通称「虫研」の先輩‘master’と一緒に、関東のある水田地帯を訪れた。以前から見たいと思っていた大型の水生半翅類、タガメに会うためである。案内役は同じ研究室の後輩‘暁’、なかなか気合の入った虫屋である。
水田風景
タガメ生息地の風景 NikonD70s SIGMA17-70mm

着いてみると、そこは圃場整備され、コンクリート水路が張り巡らされたなんとも普通の水田。本当にこんなとこにタガメがいるの?と疑いたくなってしまう。自分の経験上、絶滅危機にある生きものの多くは「生息地の物理的な破壊」が原因で減っているように思う。埋め立てのような「丸ごと破壊」もあるだろうし、水際がコンクリートで固められるなどの「構造の破壊」もあるだろう。ここはその後者にあたると感じたのだ。
水路のタガメ
甲羅干しするタガメ NikonD70s SIGMA15mmfisheye ストロボ

しかし・・・・・いた!最初に発見した個体は、そのコンクリート水路の壁面に張り付き、甲羅干しをしていた。本当にいるんだなあ、こんなところに。それにしても初めて野生下で見るタガメは実に大きい。手づかみするのを躊躇するほどの迫力、さすがは水生昆虫の王様である。この後、同じようにコンクリート水路を探して歩き、さらに3個体を見ることができた。
タガメ
タガメ♀成虫 NikonD70s SIGMA105mmMacro ストロボ 少しトリミング

それから多かったのがトウキョウダルマガエル。水路に近づくたびに数匹がボチャボチャッと飛び込む。こいつがタガメの主食なのだろうと思う。
トウキョウダルマガエル
トウキョウダルマガエル NikonD70s SIGMA105mmMacro ストロボ

後輩暁によると、タガメは農薬に弱い、つまり物理攻撃より化学攻撃に弱いのだろうとのこと。一昔前、農薬が大量に使用された時代に多くの地域で絶滅してしまった・・・ここは、その時代をどうにか生き延びた地域なのではないか、というのが彼の意見。なるほど、とても良い自然環境があるのにタガメはいない、という地域が多いのは、過去の農薬のせいだと考えるとつじつまが合いそうな気もする。わずかに残ったこの場所から、少しずつでも復活していってくれると嬉しいのだが。
22:37 | 昆虫類 | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑