村の神 シマフクロウ
2011 / 11 / 30 ( Wed )
今回の北海道旅行(9月だけど)は、初日にすでにピークを迎えていた。
北の大地で会いたい生きものは数あれど、最も出会うのが難しいだろうと思っていた種の一つ、シマフクロウ。
そのシマフクロウに出会える宿、というのがある。以前から話には聞いていたが、そもそもシマフクロウに会えるわけがないという先入観からか、泊まってみようと思ったことはなかった。今回も同行のM氏に提案されなければこの宿を選ぶことはなかっただろう。
宿の庭には池が作られている。シマフクロウはフクロウ類ではめずらしい魚食性で、魚を採りに池を訪れるというわけだ。野生動物に餌付けかよという声もあるだろうが、シマフクロウの生息環境は少ししか残っていないし、個体数も北海道全域で120程度と極めて危機的な状況であるから、この程度は許容範囲かなとも思う。この池で狩りの腕を磨いて、いずれは自然の川で生きていけるようになってくれればと。
宿の食堂、各宿泊部屋の窓から池が見通せるようになっている。また、池にはカメラが取り付けてあり、その映像を部屋のテレビから見ることもできるようになっている。ただし、泊まったその日に訪れてくれるかはもちろん運次第。祈るしかない。
チャンスは宿について程なく、食事中に訪れた。
飯を頬ばりながらも常に池を気にしていたM氏が声を上げる。
M「来たんじゃない!?」
や「ええ?まさかぁ」
そのまさかであった。文字通り食事を放り出し、小走りで自分の部屋に飛び込む。
すでにカメラは三脚に据えてあったが、ISOの設定などは考えてなかった。外は既に真っ暗で、光源は少し離れたところに設置された1本の蛍光灯のみである。もちろんストロボは使えない。暗さのためオートフォーカスは効かず、マニュアルで合わせるのも難しい状況。1枚撮っては液晶モニタでピントを確認し、微調整を繰り返す。

あどけない顔、子どもの個体のようだ。ISO3200でシャッター速度は1/2程度。
じっと動かないことが多いのでなんとか撮影できた。それでも高感度に強い機種でなければ厳しいと思う。

一生懸命に池を見つめる姿がたまらなく愛らしい。
まだまだ狩りの腕が未熟なのだろう、散々時間をかけた挙句にボウズ、というのを何度も繰り返していた。
左足に緑、右足に銀色っぽい足輪が付けられている。

1/2秒というシャッター速度では、当然動く被写体の撮影は無理。池に飛び込むところも追いかけたけど、こんな感じにしか写らない。まあ当然の結果だ。

双眼鏡越しに目が合ったときには手が震えた。時折このような凛とした表情を見せる。
あどけない子どもでも、すでに村の神としての貫禄が備わっているように感じた。

ネットや写真集などで時々こういう写真を見ることがある。すごい睨みだなあと思っていたが、これは池を見ているだけ。
少し目線が下になったとき撮影するとこのような表情に写るようだ。
途中、一度去ったものの再びやってきて、結局19:00から24:20までの間、色々と楽しませてくれた。

一方でがっかりすることもあった。シマフクロウの写真を撮るためフラッシュを焚いたり、懐中電灯で照らす観光客。
フクロウの目は暗闇でよく見えるように感度設定されているため、明るい光には弱い。フラッシュを焚いたりすると目が眩んで動けなくなり、動物に襲われる可能性があるのだという。
この宿は空港からも観光地からも遠く、食事も普通で、温泉以外にはとりたてて何もないのだが、宿泊費はなかなかのお値段。これは明らかにシマフクロウが大きな付加価値になっているはずで、これほどわかりやすい生態系サービスも無い気がする。ところがフクロウの観察や撮影に関する説明が、宿から全くされなかった。「ストロボ使っちゃダメですよね?ライトもダメですよね?」とこっちから聞いて確認したぐらいである。その結果が上の写真だ。
宿泊客のモラルは当然問題だが、きちんと説明して管理しない宿の体制も問題だろう。もしこれが原因でシマフクロウという付加価値が無くなったとき、今までと同じ数の宿泊客が同じ料金で泊まりにきてくれるだろうか?とてもサステナブルとは言い難い経営だと思う。

とりあえず、宿の経営者にアドバイスのメールをしておいた。
願わくは何年後か、成長したこの個体とこの宿で再会したいと思っている。
【おまけ】
手ブレ、ホワイトバランスなどひどいですが、いろんな表情を並べてみました。



おだやか おどろき ふくらむ



にらむ 横顔 のびる
〔2011年9月16日 北海道標津郡中標津町〕
シマフクロウは、アイヌ語でコタンクルカムイ(村の神)と呼ばれます....
北の大地で会いたい生きものは数あれど、最も出会うのが難しいだろうと思っていた種の一つ、シマフクロウ。
そのシマフクロウに出会える宿、というのがある。以前から話には聞いていたが、そもそもシマフクロウに会えるわけがないという先入観からか、泊まってみようと思ったことはなかった。今回も同行のM氏に提案されなければこの宿を選ぶことはなかっただろう。
宿の庭には池が作られている。シマフクロウはフクロウ類ではめずらしい魚食性で、魚を採りに池を訪れるというわけだ。野生動物に餌付けかよという声もあるだろうが、シマフクロウの生息環境は少ししか残っていないし、個体数も北海道全域で120程度と極めて危機的な状況であるから、この程度は許容範囲かなとも思う。この池で狩りの腕を磨いて、いずれは自然の川で生きていけるようになってくれればと。
宿の食堂、各宿泊部屋の窓から池が見通せるようになっている。また、池にはカメラが取り付けてあり、その映像を部屋のテレビから見ることもできるようになっている。ただし、泊まったその日に訪れてくれるかはもちろん運次第。祈るしかない。
チャンスは宿について程なく、食事中に訪れた。
飯を頬ばりながらも常に池を気にしていたM氏が声を上げる。
M「来たんじゃない!?」
や「ええ?まさかぁ」
そのまさかであった。文字通り食事を放り出し、小走りで自分の部屋に飛び込む。
すでにカメラは三脚に据えてあったが、ISOの設定などは考えてなかった。外は既に真っ暗で、光源は少し離れたところに設置された1本の蛍光灯のみである。もちろんストロボは使えない。暗さのためオートフォーカスは効かず、マニュアルで合わせるのも難しい状況。1枚撮っては液晶モニタでピントを確認し、微調整を繰り返す。

あどけない顔、子どもの個体のようだ。ISO3200でシャッター速度は1/2程度。
じっと動かないことが多いのでなんとか撮影できた。それでも高感度に強い機種でなければ厳しいと思う。

一生懸命に池を見つめる姿がたまらなく愛らしい。
まだまだ狩りの腕が未熟なのだろう、散々時間をかけた挙句にボウズ、というのを何度も繰り返していた。
左足に緑、右足に銀色っぽい足輪が付けられている。

1/2秒というシャッター速度では、当然動く被写体の撮影は無理。池に飛び込むところも追いかけたけど、こんな感じにしか写らない。まあ当然の結果だ。

双眼鏡越しに目が合ったときには手が震えた。時折このような凛とした表情を見せる。
あどけない子どもでも、すでに村の神としての貫禄が備わっているように感じた。

ネットや写真集などで時々こういう写真を見ることがある。すごい睨みだなあと思っていたが、これは池を見ているだけ。
少し目線が下になったとき撮影するとこのような表情に写るようだ。
途中、一度去ったものの再びやってきて、結局19:00から24:20までの間、色々と楽しませてくれた。

一方でがっかりすることもあった。シマフクロウの写真を撮るためフラッシュを焚いたり、懐中電灯で照らす観光客。
フクロウの目は暗闇でよく見えるように感度設定されているため、明るい光には弱い。フラッシュを焚いたりすると目が眩んで動けなくなり、動物に襲われる可能性があるのだという。
この宿は空港からも観光地からも遠く、食事も普通で、温泉以外にはとりたてて何もないのだが、宿泊費はなかなかのお値段。これは明らかにシマフクロウが大きな付加価値になっているはずで、これほどわかりやすい生態系サービスも無い気がする。ところがフクロウの観察や撮影に関する説明が、宿から全くされなかった。「ストロボ使っちゃダメですよね?ライトもダメですよね?」とこっちから聞いて確認したぐらいである。その結果が上の写真だ。
宿泊客のモラルは当然問題だが、きちんと説明して管理しない宿の体制も問題だろう。もしこれが原因でシマフクロウという付加価値が無くなったとき、今までと同じ数の宿泊客が同じ料金で泊まりにきてくれるだろうか?とてもサステナブルとは言い難い経営だと思う。

とりあえず、宿の経営者にアドバイスのメールをしておいた。
願わくは何年後か、成長したこの個体とこの宿で再会したいと思っている。
【おまけ】
手ブレ、ホワイトバランスなどひどいですが、いろんな表情を並べてみました。



おだやか おどろき ふくらむ



にらむ 横顔 のびる
〔2011年9月16日 北海道標津郡中標津町〕
シマフクロウは、アイヌ語でコタンクルカムイ(村の神)と呼ばれます....

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ナキウサギの衣替え
2011 / 10 / 24 ( Mon )
北海道に来たのはたしか4回目、ナキウサギを見に行くのは今回で3回目。
初回はまだポジフィルムの頃、しかも手持ちレンズで一番の望遠が90mmマクロという有様だったので、
撮影どころではなかった。2回目は70-300mmVRを持っていったが、D70sでは高感度撮影が出来ず、
薄暗い状況で手ブレ写真を増産。今回はまさに3度目の正直である。

ニペソツ山はエゾナキウサギの個体数が多く観察しやすいのだが、登山をしなければならない。
「確か2時間も登れば見れたはず」と軽く考えたのだが、結局はあの山の上の方まで着くのに4時間かかった。
記憶違いで大ダメージ・・・。
すれ違う下山者に「ナキウサギ見れましたか?」と聞いてみると、
「いやあ、声は聞こえるけど姿は見られないよ」という返答。
登山が目的の人たちにとってはこれが当たり前なのだろうが、実にもったいない。
生息地に行き、じっと待っていれば出てきてくれるのだから。
日本の野生哺乳類でこれほど確実に見られる種はそうはないだろう。

ほらね、いたいた!丸いなあ!
あいかわらず鼻血モノの可愛さだ。

この時の気温は10℃を下回っていたが、必死で撮影。ようやくアップで撮れた!
よく見ると背中の毛がまだらになっている。本格的な冬に向けて毛が生え変わっている途中のようだ。
しかし滞在時間はたったの20分。雨のせいでニペソツ登山を最終日に変更したため、飛行機に間に合うように下山しなければならないのだった。まだ撮れてないんだ、丸い顔のドアップを!今回撮れたのも悪くないんだけどちょっと凛々しい顔で、一番撮りたいのはもっと鼻血が出そうなかわいい顔とかそして草を咥えているとことか!
ああ、超不完全燃焼・・・。
〔2011年9月19日 北海道東大雪ニペソツ山〕
三度目の正直でもダメなら、4度目の意地ですね・・・
初回はまだポジフィルムの頃、しかも手持ちレンズで一番の望遠が90mmマクロという有様だったので、
撮影どころではなかった。2回目は70-300mmVRを持っていったが、D70sでは高感度撮影が出来ず、
薄暗い状況で手ブレ写真を増産。今回はまさに3度目の正直である。

ニペソツ山はエゾナキウサギの個体数が多く観察しやすいのだが、登山をしなければならない。
「確か2時間も登れば見れたはず」と軽く考えたのだが、結局はあの山の上の方まで着くのに4時間かかった。
記憶違いで大ダメージ・・・。
すれ違う下山者に「ナキウサギ見れましたか?」と聞いてみると、
「いやあ、声は聞こえるけど姿は見られないよ」という返答。
登山が目的の人たちにとってはこれが当たり前なのだろうが、実にもったいない。
生息地に行き、じっと待っていれば出てきてくれるのだから。
日本の野生哺乳類でこれほど確実に見られる種はそうはないだろう。

ほらね、いたいた!丸いなあ!
あいかわらず鼻血モノの可愛さだ。

この時の気温は10℃を下回っていたが、必死で撮影。ようやくアップで撮れた!
よく見ると背中の毛がまだらになっている。本格的な冬に向けて毛が生え変わっている途中のようだ。
しかし滞在時間はたったの20分。雨のせいでニペソツ登山を最終日に変更したため、飛行機に間に合うように下山しなければならないのだった。まだ撮れてないんだ、丸い顔のドアップを!今回撮れたのも悪くないんだけどちょっと凛々しい顔で、一番撮りたいのはもっと鼻血が出そうなかわいい顔とかそして草を咥えているとことか!
ああ、超不完全燃焼・・・。
〔2011年9月19日 北海道東大雪ニペソツ山〕
三度目の正直でもダメなら、4度目の意地ですね・・・

ヒグマの気配
2011 / 10 / 23 ( Sun )
宿泊した宿で「森に入ればモモンガがけっこう頻繁に見られる」と聞いたので、糠平湖の東岸の林道に来てみた。
ここには観光スポットのめがね橋(タウシュベツ橋)があるのだが、土砂崩れがよく起きて危険ということで、
2009年ぐらいから車は入れなくなったらしい。

熊鈴をつけて歩いて入る。最初はきれいな道だったけれど・・・

少し行くと斜面が崩れ、斜面の木々が土砂と礫に埋まっていた。
途中でリス(エゾリスとシマリスの両方?)を見つけてテンションが上がるも、モモンガは見られず。
運もあるだろうが、コツもあるのだろう。

道の上には成人男性のこぶし大ぐらいの新しいフンが。これって・・・

道沿いにたくさん生えている大きなアキタブキ、あちこちにちぎられた跡がある。
もともとここはヒグマの目撃が多い地域であることは知っていたが、こうしてフィールドの痕跡を目にすると
リアルに感じられる。
初日の忠類川では、知床半島の景色を見たくて河口を目指した。途中には明らかに人ではないと思われる大きな獣道が何本もついていて、かなり恐怖を感じていたのだが、景色見たさでかなり踏み込んでしまった。結局は水量が多くて河口に辿りつけずに引き返し、何事も起きなかったのだが、あれはしてはいけない危険な行為だったと反省。同行者に何かあったら取り返しが付かないし、ヒグマが悪者にされてもいけない。いずれヒグマも見たいのだが、やはり初めはクマとの付き合い方を知っているベテランと一緒に歩くべきかもしれない。
〔2011年9月18日 北海道河東郡上士幌町 糠平湖東岸の林道〕
モモンガ観察のコツを教えて下さい・・・
ここには観光スポットのめがね橋(タウシュベツ橋)があるのだが、土砂崩れがよく起きて危険ということで、
2009年ぐらいから車は入れなくなったらしい。

熊鈴をつけて歩いて入る。最初はきれいな道だったけれど・・・

少し行くと斜面が崩れ、斜面の木々が土砂と礫に埋まっていた。
途中でリス(エゾリスとシマリスの両方?)を見つけてテンションが上がるも、モモンガは見られず。
運もあるだろうが、コツもあるのだろう。

道の上には成人男性のこぶし大ぐらいの新しいフンが。これって・・・

道沿いにたくさん生えている大きなアキタブキ、あちこちにちぎられた跡がある。
もともとここはヒグマの目撃が多い地域であることは知っていたが、こうしてフィールドの痕跡を目にすると
リアルに感じられる。
初日の忠類川では、知床半島の景色を見たくて河口を目指した。途中には明らかに人ではないと思われる大きな獣道が何本もついていて、かなり恐怖を感じていたのだが、景色見たさでかなり踏み込んでしまった。結局は水量が多くて河口に辿りつけずに引き返し、何事も起きなかったのだが、あれはしてはいけない危険な行為だったと反省。同行者に何かあったら取り返しが付かないし、ヒグマが悪者にされてもいけない。いずれヒグマも見たいのだが、やはり初めはクマとの付き合い方を知っているベテランと一緒に歩くべきかもしれない。
〔2011年9月18日 北海道河東郡上士幌町 糠平湖東岸の林道〕
モモンガ観察のコツを教えて下さい・・・

オショロコマだと思ったら……
2011 / 10 / 08 ( Sat )
5年前、女満別から忠類川に向かう途中の名前も知らない川で、オショロコマを見た。
こんなに美しい魚がいるのか・・・!そのとき受けた衝撃が忘れられず、今回もチャレンジ。

今回の旅行前にはかなりの雨が降っていて、メインの流路がはっきりしないぐらい荒れていた。
そのせいか、魚が全くといっていいほど採れない。やってもやっても草とか砂利とか。
うーん、これほど採れないのも久しぶりだなあ。
ややあきらめ気味になりつつ、それでもしつこくガサガサしていると、タモ網に手応えが。
キラキラ光る体、大きさも良い感じ。やっとキタか!!

ニ、ニジマスかよ……。
オショロコマかと期待してニジマスだった時のガッカリ感はハンパではない。
〔2011年9月18日 北海道河東郡上士幌町 音更川〕
結局オショロコマは見れませんでした。
こんなに美しい魚がいるのか・・・!そのとき受けた衝撃が忘れられず、今回もチャレンジ。

今回の旅行前にはかなりの雨が降っていて、メインの流路がはっきりしないぐらい荒れていた。
そのせいか、魚が全くといっていいほど採れない。やってもやっても草とか砂利とか。
うーん、これほど採れないのも久しぶりだなあ。
ややあきらめ気味になりつつ、それでもしつこくガサガサしていると、タモ網に手応えが。
キラキラ光る体、大きさも良い感じ。やっとキタか!!

ニ、ニジマスかよ……。
オショロコマかと期待してニジマスだった時のガッカリ感はハンパではない。
〔2011年9月18日 北海道河東郡上士幌町 音更川〕

リンゴドクガで後悔
2011 / 10 / 07 ( Fri )
コテングコウモリが手から飛び立った後、またも毛むくじゃらを発見。
しかし今度のは触ると痛い目に遭いそうな気配。

リンゴドクガの幼虫じゃないか。イモムシハンドブックの表紙にもなっている、個性的なビジュアル。
こいつも見たかった。まさか北海道で出会うとは。

よくここまで触るなよという雰囲気を出せたもんだ。
しかし帰ってからイモムシハンドブックの表紙を見ると、何かが違う。
自分が撮った写真にはインパクトが欠けていて、まるで別種のように見える。
あわててページをめくって説明を読んでみた。
「刺激を受けると背を丸め黒色横帯を見せる」
しまったあ!そうだったのか!!棒でつんつくすればよかった・・・。
〔2011年9月17日 北海道標津郡中標津町〕
クリック! →
しかし今度のは触ると痛い目に遭いそうな気配。

リンゴドクガの幼虫じゃないか。イモムシハンドブックの表紙にもなっている、個性的なビジュアル。
こいつも見たかった。まさか北海道で出会うとは。

よくここまで触るなよという雰囲気を出せたもんだ。
しかし帰ってからイモムシハンドブックの表紙を見ると、何かが違う。
自分が撮った写真にはインパクトが欠けていて、まるで別種のように見える。
あわててページをめくって説明を読んでみた。
「刺激を受けると背を丸め黒色横帯を見せる」
しまったあ!そうだったのか!!棒でつんつくすればよかった・・・。
〔2011年9月17日 北海道標津郡中標津町〕
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眠るコテングコウモリ
2011 / 10 / 05 ( Wed )
北海道初日は訳あって夜更かししたのだが、翌朝はこれまた訳あって早起き。
眠い目をこすりながら用事を済ませ、散歩に出かける。
・・・と、宿近くの橋の上で、地面にうずくまる毛玉を発見。

コウモリだ・・・死んでる・・・?
いや、生きてる。背中が小さく上下して、呼吸しているのがわかった。

ひっくり返しても動かず。一瞬、ヤマネを思い出すぐらいの丸まり方だ。

折りたたんだ翼手の先端でぴったりと目を覆っている。
気温が低かったから、体温が低下して動けないのかもと思い、手で包んで温めてみた。
すると15分後、急に目を覚ましたように動き出して飛び去っていった。
後日、この写真をNPO法人 東洋蝙蝠研究所に送って同定をお願いしたところ、コテングコウモリ
だと教えてくださった。
「道東では牧場の防風林など、ちょっとしただけの小さい森の中でもよく飛んでいます。
全身毛で覆われていて、特にどこかに入り込まずにその辺で寝ていることも多いようです。」
とのこと。あいつ、動けなかったわけじゃなくて寝てただけ・・・?
北海道のレッドデータブックでは「希少種」というランク。他の都道府県と共通した言い方にすれば
準絶滅危惧にあたるだろう。
こんな出会い、滅多にあるものではない。早起きしてよかった。
〔2011年9月17日 北海道標津郡中標津町〕 クリック! →
眠い目をこすりながら用事を済ませ、散歩に出かける。
・・・と、宿近くの橋の上で、地面にうずくまる毛玉を発見。

コウモリだ・・・死んでる・・・?
いや、生きてる。背中が小さく上下して、呼吸しているのがわかった。

ひっくり返しても動かず。一瞬、ヤマネを思い出すぐらいの丸まり方だ。

折りたたんだ翼手の先端でぴったりと目を覆っている。
気温が低かったから、体温が低下して動けないのかもと思い、手で包んで温めてみた。
すると15分後、急に目を覚ましたように動き出して飛び去っていった。
後日、この写真をNPO法人 東洋蝙蝠研究所に送って同定をお願いしたところ、コテングコウモリ
だと教えてくださった。
「道東では牧場の防風林など、ちょっとしただけの小さい森の中でもよく飛んでいます。
全身毛で覆われていて、特にどこかに入り込まずにその辺で寝ていることも多いようです。」
とのこと。あいつ、動けなかったわけじゃなくて寝てただけ・・・?
北海道のレッドデータブックでは「希少種」というランク。他の都道府県と共通した言い方にすれば
準絶滅危惧にあたるだろう。
こんな出会い、滅多にあるものではない。早起きしてよかった。
〔2011年9月17日 北海道標津郡中標津町〕 クリック! →

ツノアオカメムシ
2011 / 10 / 03 ( Mon )
カラフトマス空振り
2011 / 10 / 02 ( Sun )
9/16~19にかけて、北海道に行ってきた。
目的地はもちろん道東、今回は中標津空港からスタートした。
さて、最初の目的は9月に川を遡上するカラフトマス。
5年前、シロザケを見るために訪れた忠類川を再訪問。
橋の上からようすを見るが、魚影がさっぱり見えない。5年前はすごい数がいたのに・・・。
どうやら今年は遡上が遅かったらしく、我々が帰った一週間後に遡上ピークというのをyahooニュースで見た。

川に降りるとすぐにカラフトマスの死体を発見。
ぐにゃりと曲がって伸びた口先、大きくせり出した背中、これは成熟したオスの特徴だ。
この背中の様子から「セッパリマス」などともと呼ばれる。

しばらく川に沿って歩くと10匹程度のカラフトマスを発見。産卵前の順位争いをしているようだった。
しかし陸上から撮影しようとしてもうまくいかない。これは5年前に経験済みである。
↑かろうじて出っ張ったオスの背中が写っている。

そこで水中撮影を試みる。撮影方法は、いつもの調味料入れ&コンデジのインターバル撮影。
しかしまあ全く撮れない。警戒心が強く、近づけないのだ。遡上ピークで至るところに個体がいる状況なら
いけると思うのだが・・・。中央右にうっすらオスが写っている。
道具にも無理がありすぎるなあ。そろそろちゃんとした水中撮影の装備が欲しいところ。

産卵を終えた個体や力尽きた死体は「ホッチャレ」と呼ばれる。
このホッチャレを巡っては、アイヌの人々の生活、多くの動物や森との関わり、栄養塩循環などの壮大なドラマがあり、
書きたいことが山ほどあるのだが、それを語るには今回の写真は貧相すぎる。
良い写真がたくさん撮れたその時にやりたい。また必ず来よう。
〔2011年9月16日 北海道標津郡標津町 忠類川〕 クリック! →
目的地はもちろん道東、今回は中標津空港からスタートした。
さて、最初の目的は9月に川を遡上するカラフトマス。
5年前、シロザケを見るために訪れた忠類川を再訪問。

橋の上からようすを見るが、魚影がさっぱり見えない。5年前はすごい数がいたのに・・・。
どうやら今年は遡上が遅かったらしく、我々が帰った一週間後に遡上ピークというのをyahooニュースで見た。

川に降りるとすぐにカラフトマスの死体を発見。
ぐにゃりと曲がって伸びた口先、大きくせり出した背中、これは成熟したオスの特徴だ。
この背中の様子から「セッパリマス」などともと呼ばれる。

しばらく川に沿って歩くと10匹程度のカラフトマスを発見。産卵前の順位争いをしているようだった。
しかし陸上から撮影しようとしてもうまくいかない。これは5年前に経験済みである。
↑かろうじて出っ張ったオスの背中が写っている。

そこで水中撮影を試みる。撮影方法は、いつもの調味料入れ&コンデジのインターバル撮影。
しかしまあ全く撮れない。警戒心が強く、近づけないのだ。遡上ピークで至るところに個体がいる状況なら
いけると思うのだが・・・。中央右にうっすらオスが写っている。
道具にも無理がありすぎるなあ。そろそろちゃんとした水中撮影の装備が欲しいところ。

産卵を終えた個体や力尽きた死体は「ホッチャレ」と呼ばれる。
このホッチャレを巡っては、アイヌの人々の生活、多くの動物や森との関わり、栄養塩循環などの壮大なドラマがあり、
書きたいことが山ほどあるのだが、それを語るには今回の写真は貧相すぎる。
良い写真がたくさん撮れたその時にやりたい。また必ず来よう。
〔2011年9月16日 北海道標津郡標津町 忠類川〕 クリック! →

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